360度ではなくラジアンで表すのはなぜ

数学・統計周り雑学 1/N

公開日: 2020-09-03
更新日: 2024-02-09

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弧度法

Def: 弧度法

半径1の孤の長さが$L$である扇形の中心角を「$L$ラジアン」と表す.

(例)度数法での角度 $60^\circ$ を弧度法で表現するときは

\[2\pi \times \frac{60}{360} = \frac{1}{3}\pi\ \text{rad}\]

弧度法で表すメリットとしてよく言われるのが,

  • 正弦の極限公式が美しく表わせる
  • 三角関数の微分が美しく表せる

ということがあります.

度数法における正弦極限公式

正弦の極限公式

\[\lim_{x\to 0}\frac{\sin x}{x} = 1\]

これは角度がラジアン(=この長さ)で表現されているとき, 高さとその孤の長さが極限では等しいと考えることができる という直感的理解でもわかります. 一方, 弧度法で表現されてしまうと

\[\lim_{x\to 0}\frac{\sin x}{x} = \frac{\pi}{180}\]

となり常に比例定数 $\displaystyle \frac{\pi}{180}$ が出てきてしまうという面倒な取り扱いとなります. 同様の理由で三角関数の微分やマクローリン展開がと扱いづらくなるため, 弧度法が好まれていると言われています.

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