数字が記載されたカードの並べ替え問題:カード数字とindexの一致確率

確率と数学ドリル 5/N

公開日: 2021-01-25
更新日: 2023-11-17

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数字が記載れたカードの並べ替え問題

Problem

$1, 2, \cdots. m$の数字を書いたカードをよくシャッフルしてから, 一列に並べてみる. 配列のindexを1から始まり$m$で終わるとしたとき, カードの記載番号と配列indexが一致する枚数を$X$とする.

このとき, $X$の期待値と分散を求めよ.

\(X_k = \begin{cases} 1 & \text{ k indexについて, カード数値とindexが一致}\\ 0 & \text{ otherwise} \end{cases}\)

としたとき, $X = \sum_{1\leq k \leq m}X_k$と表現できます. $X_k$は互いには独立ではないことに留意して問題を解きます.

期待値の導出

$X_k$は互いには独立ではないですが, 期待値は線形分離できるので

\[\mathbb E[X] = \sum_{1\leq k \leq m}\mathbb E[X_k]\]

$\mathbb E[X_k]$は$1/m$であることがすぐわかるので

\[\mathbb E[X] = 1\]

となる.

分散の導出

$X_k$は互いには独立ではないので, 期待値と同様に分散を線形分離して計算するのは無理です. 期待値はすでに出ているので, 2次モーメントについて考えます.

\(\begin{align*} \mathbb E[X^2] &= \mathbb E[(\sum_{1\leq k \leq m} X_k)^2]\\ &= \sum_{1\leq k \leq m}\mathbb E[X_k^2] + 2\sum_{1\leq i<j\leq m} E[X_iX_j] \end{align*}\)

$X_iX_j$について見てみると

\[X_iX_j = \begin{cases} 1 \text{index i, jについて, カード数値とindexが一致}\\ 0 & \text{ otherwise} \end{cases}\]

index i, j以外については並び方は何でも良いので

\[Pr(X_iX_j) = \frac{1}{m!/(m-2)!}=\frac{1}{m(m-1)}\]

したがって,

\(\begin{align*} \mathbb E[X^2] &= \mathbb E[(\sum_{1\leq k \leq m} X_k)^2]\\ &= \sum_{1\leq k \leq m}\mathbb E[X_k^2] + 2\sum_{1\leq i<j\leq m} E[X_iX_j]\\ &= \frac{1}{m}\times m + 2\bigg(\begin{array}{c}m\\2\end{array}\bigg)\frac{1}{m(m-1)}\\ &= 2 \end{align*}\)

よって, 分散は$V(X) = \mathbb E[X^2] - \mathbb E[X]^2 = 1$

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