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チャフって?
コーヒー豆を焙煎するとコンロ周りに大量の茶色のカスが撒き散らされます. これはコーヒー豆の焼け焦げたシルバースキン(コーヒー豆の薄皮)でチャフと呼びます. 焙煎したコーヒー豆の中央(センターカット)に溜まっている白い薄皮もチャフです.
シルバースキンとは?
シルバースキンを理解するためにはコーヒー豆の構造を知る必要があります. 市販されているコーヒー豆は, コーヒーチェリーと呼ばれる赤い果実の中にある種子(被子植物の胚乳)を加工したものです.
コーヒーチェリーはまず外皮と果肉(2つ合わせてパルプやコーヒーパルプと呼ぶ)があり, その内側に粘液質(ミュシレージ)に包まれたコーヒー豆が2つ, 平らな部分を向かい合わせにして入っています. ミュシレージ層とコーヒー豆の間にはパーチメントとよばれる内果皮があります.
パーチメントの内側に種子としてのコーヒー豆がありますが, シルバースキンはその種子の種皮です. シルバースキンは市販されている生豆の状態からでも手で剥がそうと思えば剥がすことが出来ます(ザルとかで適当にかき混ぜるだけでもちょっとだけだったらポロポロ剥がれ落ちてくる).
店頭に並ぶ生豆はどこまで含んでいるの?
コーヒーチェリーからパーチメントまで取り除いて, 水分保有量が12%以下まで乾燥したもの(この段階の乾燥は輸送中のカビ発生防止のため)が生豆として店頭に通常並んでます. パーチメントまで取り除く代表的な方法は「ドライプロセス」「ウェットプロセス」「セミウォッシュトプロセス」3つの方式に分類されます.
ドライプロセス
- (別名)アンウォッシュト, ナチュラル
- 水を使わない精製方法で, 収穫したコーヒーの果実を天日で干して乾燥させます. 完全に乾燥すると, パルプ, ミュシレージ, パーチメントがくっついてハスクと呼ばれている厚い殻になり, その殻を割るとコーヒー生豆が出てきます.
- ドライプロセスで精製処理したコーヒー豆は, ウォッシュドで処理されたコーヒーよりも酸味が少なくてボディーが重たいのが特徴
- コーヒー豆を乾燥させる間にミューシレージの中の糖分と酸味が凝縮され種子の中に沁み込むことで複雑な香味が生まれるとされている
ウェットプロセス
- (別名)ウォッシュド
- 果実をパルパーという器械にかけて, 果皮と果肉を剥ぎ取り洗い流します. その後, 水槽につけて水中微生物の力を借りて発酵によってミュシレージを分解し, それを洗い流すことでパーチメントに覆われたパーチメントコーヒを取り出します. それを乾燥 & 脱穀することでコーヒー生豆を生成する方式.
セミウォッシュトプロセス
- スマトラ式やハニープロセスはここに分類
- ナチュラルとウォッシュドの中間の方式. ウォッシュドと同じようにまず果実をパルパーという器械にかけて, 果皮と果肉を剥ぎ取り洗い流します. その後, ミュシレージをつけたまま天日で乾燥させて, 脱穀して仕上げます.
- 味の特徴はナチュラルと近いですが酸味もある傾向があるとのこと
- スペシャリティコーヒー作りによく応用されている
チャフがコーヒーの風味に与える影響
チャフがコーヒーの風味に与える影響は余りわかっておらず, 「渋皮」「嫌な苦味/雑味の原因」という人もいれば, 「チャフによってコーヒーに良い風味が与えられる」という人もいます. ただし, チャフは燃えやすく, そのため焙煎中に適切にふっとばさないと焦げはじめてしまい, 煙を介してきつい嫌な苦味がコーヒー豆に染み付くというリスクがあります. そのため, 焙煎中にこまめに取り除くことが必要です.
Appendix: ハニープロセスの由来
ハニープロセス(Honey Processing, ミエル プロセソ)は, 中央アメリカのコスタリカなど, ウォッシュトプロセスでコーヒーを精製するのが主流の国々が, ナチュラルプロセスが持つ独特な風味を持つコーヒーを作りたいとして始めたできたものとされています. 名前のハニーの由来は大きく2つあります
- 通常のウォッシュドコーヒーでは得られにくいハチミツを思わせる独特の香りやボディに由来する説
- 乾燥期間に外側のミューシレージの水分が蒸発しながら蜂蜜のようにベタベタするために名付けられた説
3つのハニーコーヒーの種類
ハニーコーヒーのキャラクターはミューシレージの量と乾燥時間によって大きく変化します. これらはその仕上がり具合から, 大まかにイエローハニー, レッドハニー, ブラックハニーに分類されます.
イエローハニー | ミューシレージを約25%残して6~8日間乾燥したもの |
レッドハニー | ミューシレージを約50%残して12~14日間乾燥 |
ブラックハニー | ミューシレージをそのままにし表面の果肉だけ除去して約1ヶ月乾燥させたもの |
References
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