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コーヒーの木の栽培
植物名 | コーヒーの木 |
学名 | Coffea |
英名 | Coffee tree |
科名 | アカネ科 |
属名 | コーヒーノキ属 |
原産地 | アフリカ、マダガスカル周辺 |
草丈, 樹高 | アラビカ種は 5m, カネフォラ種(ロブスタ種など)は 10m |
耐寒性 | 弱い (栽培気温 5~30℃) |
耐暑性 | 強い |
耐陰性 | 幼木のときは耐陰性あり, 生長するにしたがって耐陰性が徐々に弱まってく |
花色 | 白 |
受粉 | アラビカ種: 自家受粉 カネフォラ種: 他家受粉 |
コーヒーの木は, 種まきより3年で収穫ができるようになります. パーチメントがついた状態で豆がまかれることが多く, 約2ヶ月ほどで芽がでます.
コーヒーの木の特徴として, 葉っぱはつやがあり美しく, 樹形もさほど乱れないため観葉植物としても人気です. コーヒーの木は開花後に葉の根本に実を群生させます. この実は完熟すると真っ赤になりサクランボに見えることからコーヒーチェリーと呼ばれます. この赤い実から果肉などを取り除き, 種子のみにしたものがコーヒー豆となります. (参考)
栽培条件
コーヒーベルトと呼ばれる赤道を挟む南北25度の範囲で栽培される植物ですが,
- 直射日光に弱い
- 栽培気温 5~30℃が必要
- 年間雨量は 1,800mm前後と日本とだいたい同じ程度必要
とデリケートな植物です. そのため赤道近辺の標高の高い山でよく栽培されます. また, 直射日光を避けるため, バナナやマンゴーなどの背の高い木をシェードツリーとして同じ場所に植え, その日陰で栽培する形が取られる場合もあります. シェードツリーの落ち葉は良質な肥料となるメリットもあります.
ただし, シェードツリーと一緒に植えると単位面積当たりの収穫量が少なくなり, コーヒーの実の収穫にも手間がかかります. シェードツリーと混在しているため安易に機械を使うことができず, 手摘みで収穫することになってしまうためです.
害虫と病気
葉の液や木の養分を吸い取ってしまうカイガラムシやハダニ, アブラムシなどの害虫やウドンコ病や炭疽病やさび病など葉を枯らし生長を阻害し, 最終的には株をダメにしてしまったりするような病気の被害にあうことがあります.
そのため, コーヒーの木の栽培には農薬が使われます. コーヒーは食品として世界で最も農薬使用量の多い農作物という説もあり, また, コーヒー生産コストの3割は農薬と言われます. コーヒー栽培に使われる農薬を大まかに分類すると
- 除草剤
- 殺菌剤(対カビ、キノコ類など)
- 殺虫剤(対ダニ、シロアリ、コクゾウムシ、蛾など)
- くん煙剤
サビ病とコーヒーの木
サビ病とは, コーヒーの葉に錆び付いたような色の斑点が出現し, 次第に増え, 光合成機能を失わせ, 落葉させ, 最終的にはコーヒーの木そのものを枯らしてしまうという, コーヒーの木にとっては致命的な病気です.
空気感染, 水を媒介としても感染 & さらに感染力が非常に強いという特徴があります. 歴史的にも, 1970年にはブラジルに大規模なサビ病の被害が出て, その後数年にわたり世界のコーヒー市場を大混乱に陥れました。
スリランカも元々はコーヒーの生産国でしたが, 1869年にさび病が大発生し, スリランカのコーヒー産業は壊滅しました.
コーヒーの花
コーヒーの木は植付けから18〜30ヶ月後にジャスミンのような香りのする白い花を咲かせます. 開花は一斉に起こるわけでなく, 約4ヶ月の間に5〜7回に分けて開花します.
花は2〜3日ほどで散り, その後楕円形の実(=コーヒーチェリー)をつけます. 通常のコーヒーチェリーは, グリーン→黄色→赤と色が変わり, さらに熟すことで硬かったコーヒーチェリーに弾力がついてきます. 成熟までの期間は約半年となります.
完熟果実は少しの力で枝から外れますが, 未成熟果実は簡単には外れないという性質があります.
コーヒー豆の収穫
手摘み(高産地農園)
収穫方法 | 完熟した赤いコーヒー果実だけを人の手でピッキングする収穫方法 |
農園 | 高地など勾配のきつい農園 |
コスト | 人件費と時間がかかるため, コストが高い |
品質 | 良 |
機械摘み(大規模農園)
収穫方法 | 機械内部のプラスチック製の棒を振動させてコーヒー果実を落とし収穫する方法 |
農園 | 平面状の農園でしか使用することができない |
コスト | 初期投資が高いが, 人件費かからない & 収穫効率が良い |
品質 | 良 |
地面に落としたあとで手摘み
収穫方法 | 実をわしづかみにし, 地面に落とし, 最後に人の手でピッキングする方法 |
農園 | 大規模農園 |
コスト | 安い |
品質 | 未熟な果実も完熟の果実もまとめて収穫されてしまう 果実が土臭や湿気を帯びる原因になることもある |
References
(注意:GitHub Accountが必要となります)