区間縮小法
Theorem 1 区間縮小法
閉区間 \(I_n = [a_n, b_n] \, \ (n=1,2,\cdots)\) において,
- 各区間 \(I_n\) がその前の区間 \(I_{n-1}\) に含まれ
- \(n\) が限りなく増すとき,区間 \(I_n\) の幅 \(b_n - a_n\) が限りなく小さくなる
- 任意の \(m, n\) に対して,\(a_n < b_m\)
とき,これらの各区間に共通なるただ一つの点が存在する(=各区間に共通なる数が唯一つ確定する)
区間縮小法からDedekindの定理の導出
Theorem 2 Dedekindの定理
実数の切断 \((A, B)\) が与えられたとき,ただ1つの数 \(s\) が存在し,\(s\) は Aの最大数 xor Bの最小数である.
Cauchyの判定法
Theorem 3 Cauchyの判定法
数列 \(\{a_n\}\) が収束するために必要かつ十分なる条件は,任意の \(\epsilon > 0\) に対応して \(n_0\) が定められて,
\[ p > n_0, q > n_0 \Rightarrow |a_p - a_q| < \epsilon \]
無限級数の収束とCauchyの判定法
Definition 1 無限級数の収束
数列 \(\{a_n\}\) の最初の \(n\) 項の和を
\[ s_n = a_1 + a_2 + \cdots + a_n \]
としたとき,\(\lim_{n\to\infty}s_n = s\) が存在するならば,無限級数 \(\sum_{n=1}^\infty a_n\) は収束するといいます.
Cauchyの判定法により \(n\) を十分大きくして,任意の \(m > n\) について
\[ |s_n - s_m| = |a_{n+1} + \cdots + a_m| < \epsilon \]
が \(s_n\) の収束の必要十分条件となります.故に収束の場合は,
\[ \lim_{n\to\infty}\sum_{p=1}^\infty a_{n+p} = 0 \]
となります.
\(\lim_{n\to\infty}a_n = 0\) は無限級数収束の必要条件 but not 十分条件
Cauchyの収束条件より \(n\) を十分大きくしたとき
\[ |s_{n+1} - s_n| < \epsilon \Rightarrow \lim_{n\to\infty} a_n = 0 \]
となりますが,逆は成り立ちません.
例えば
\[ s_n = \sum_{k=1}^n \frac{1}{k} \]
を考えると,
\[ \lim_{n\to\infty}\frac{1}{n} = 0 \]
は成立しますが,級数についてのCauchy判定条件を見てみると,\(n\) を十分大きくしても
\[ |s_{2n} - s_n| = \underbrace{\frac{1}{n+1} +\cdots +\frac{1}{2n}}_{n\text{個}} > \frac{1}{2n} \times n = \frac{1}{2} \]
となり,条件を満たさないため収束しません.実際にオイラー定数 \(\gamma\) を用いると以下のような関係式になります
\[ \sum_{k=1}^n = \ln N + \gamma + \omicron(1) \]