VDIとは?

環境構築
Author

Ryo Nakagami

Published

2025-09-17

Modified

2025-09-17

VDIとは?

Definition 1 VDI(Virtual Desktop Infrastructure)

  • 仮想環境技術を用いて,デスクトップ環境をサーバー上で構築・集中管理し,ユーザーがリモートからアクセスできるようにする仕組み.
  • サーバー上でユーザーごとに仮想デスクトップ(VM)を提供されるので,OSやアプリも個別に分離されている

graph TB
    %% VDI型環境
    subgraph VDI[VDI環境]
    direction LR
      %% サーバー側
      subgraph Server[サーバー]
          direction LR
          HW[ハードウェア]
          HV[ハイパーバイザ]
          VM1[VM 1: OS + アプリ]
          VM2[VM 2: OS + アプリ]
          VM3[VM 3: OS + アプリ]
          
          HW --> HV
          HV --> VM1
          HV --> VM2
          HV --> VM3
      end

      %% クライアント側
      Client1[端末 1]
      Client2[端末 2]
      Client3[端末 3]
      
      VM1 -->|画面転送| Client1
      VM2 -->|画面転送| Client2
      VM3 -->|画面転送| Client3
    end

Figure 1: VDI環境

デスクトップ仮想化の種類

種類 概要 特徴 利点 注意点
サーバーベース型 複数ユーザーが1台のサーバーOS環境を共有 OSは1種類,セッションを共有 導入コスト低,サーバー資源効率的 個別カスタマイズ不可,安定性やセキュリティの制約
VDI サーバー上でユーザーごとに独立した仮想マシンを提供 個別OS環境,画面転送型 個別カスタマイズ可能,柔軟でセキュア サーバー・ストレージ負荷高,導入コスト高
ブレードPC型 サーバーラック内に物理PCを設置し,ネットワーク経由で利用 フル物理PC環境をリモート利用 高性能アプリ向き,互換性問題少 ハードウェアコスト高,管理・保守が物理的に大変
パーソナルクラウド型
(DaaS: Desktop as a Service)
クラウド上で提供される仮想デスクトップ ユーザーごとに独立OS,クラウド管理 初期投資少,スケーラブル,場所を選ばず利用可能 ネットワーク依存,継続コストがかかる
アプリケーション仮想化 OSは端末に残し,アプリだけ仮想化して配信 アプリ単位で配信・管理 OSに依存せずアプリ更新容易 OSやアプリ間互換性に注意

graph TB
    %% ブレードPC型環境
    subgraph Blade[ブレードPC環境]
    direction LR
      %% サーバー側(物理PC)
      subgraph BladeServer[ブレードPCラック]
          direction LR
          PC1[PC 1]
          PC2[PC 2]
          PC3[PC 3]
      end

      %% クライアント側
      Client1[端末 1]
      Client2[端末 2]
      Client3[端末 3]
      
      PC1 -->|画面転送| Client1
      PC2 -->|画面転送| Client2
      PC3 -->|画面転送| Client3
    end

Figure 2: ブレードPC環境

graph TB
    %% サーバーベース型環境
    subgraph RDS[サーバーベース型環境]
    direction LR
      %% サーバー側
      subgraph Server[サーバー]
          direction LR
          HW[ハードウェア]
          OS[OS]
          App[アプリ]
      end

      %% クライアント側
      Client1[端末 1]
      Client2[端末 2]
      Client3[端末 3]
      
      Server -->|画面転送(セッション共有)| Client1
      Server -->|画面転送(セッション共有)| Client2
      Server -->|画面転送(セッション共有)| Client3
    end

Figure 3: サーバーベース型環境

graph TB
    %% パーソナルクラウド型環境
    subgraph DaaS[パーソナルクラウド型環境]
    direction LR
      %% クラウド側サーバー
      subgraph Cloud[クラウドサーバー]
          direction LR
          HW[ハードウェア]
          HV[ハイパーバイザ]
          VM1[VM 1: OS + アプリ]
          VM2[VM 2: OS + アプリ]
      end

      %% クライアント側
      Client1[端末 1]
      Client2[端末 2]

      VM1 -->|画面転送 + データ保護| Client1
      VM2 -->|画面転送 + データ保護| Client2
    end

Figure 4: パーソナルクラウド型(DaaS)環境

graph TB
    %% アプリケーション仮想化
    subgraph AppVirt[アプリケーション仮想化]
    direction LR
      %% サーバー側
      subgraph Server[サーバー]
          direction LR
          HW[ハードウェア]
          AppServer[アプリケーションサーバー]
      end

      %% クライアント側
      Client1[端末 1]
      Client2[端末 2]

      AppServer -->|アプリ配信 + データ保護| Client1
      AppServer -->|アプリ配信 + データ保護| Client2
    end

Figure 5: アプリケーション仮想化環境

VDIの特徴

Note(1) 集中管理
  • OSやアプリケーションをサーバー上で集中管理するため,ソフトウェアの更新やパッチ適用を一元的に行える
  • アクセス権限や暗号化を一元管理できる
Note(2) 画面転送型アーキテクチャ
  • 実際の処理はサーバー上で行われ,端末には画面情報だけが転送される
  • クライアント側の性能に大きく依存せず,高速な端末が不要
  • 端末が変わっても同じ仮想デスクトップ環境が使える
Note(3) セキュリティの強化
  • データはサーバーに集中保存され,端末側には残らないため情報漏洩リスクが低い
  • 端末の紛失・盗難による情報漏洩の防止が期待できる

References